受託サービスデザインで取り入れてよかった3つのこと
最近1歳半の娘がかわいいので帰宅が早まっています、大堀です。
納豆を顔につけられてもへっちゃらです。
弊社の業務内容は大半が受託でのWEBサービス開発(設計〜デザイン)です。
スマートフォンアプリであったり、WEBアプリであったり様々で、お客さんはベンチャー、大企業の新規事業、公にできないものまで含め200件を超えました。
今回は多くのサービスデザインを経験してきて、取り入れてよかったなと思うUXデザインの手法について書きました。
UXデザインが大切だと叫ばれる中で、どう実践するのかを試行錯誤した結果の個人的な見解です。
1.ユーザー候補へのヒアリング
WEBサービス開発においてペルソナ設定が有効なことはあまりにも有名です。ただペルソナ設定の前に、できるだけ開発チームメンバーはユーザー(あるいはユーザー候補)に会っておくべきだという意味です。
会議のみで決まるペルソナは「こうあって欲しいペルソナ」になりがちです。
実際に候補となるような人に会うことで得られる情報量は桁違いです。
本当に想像している人は存在するのか、候補者数人と会ってから設定会議を開きましょう。頭の中だけで都合の良いペルソナを作らないことです。
話す内容は
・普段のライフスタイル
・現在のやり方(サービスの代替手段があるならば)
・興味・関心
・よく使うWebサービス
など、1時間もあればこれくらいは十分聞けます。
またチームみんなで会っておくと
「あ、これ言ってたよね」とか、「Kさんならこれ喜びそうだね」とか
チームで同一人物を思い浮かべながら仕事ができます。モチベーションも上がるかもしれません。
その業界に詳しい人に会っておくのもオススメです。
ココナラで手芸講師の方にアポを取り、電話会議をしたら金言の嵐でした。
ヒアリング対象の集め方は時と場合によって様々あると思います。
2.CJMを作って共有する
すみませんカッコつけました、カスタマージャーニーマップです。
サービスを通してどんな体験を提供するのかを図示するこれです↓
書き方は、
大枠の流れをAに
具体的な行動をBに
予想でいいので各段階の気持ちをCに
これくらいを簡単にまとめます。
CJMを用意する利点は、サービスの流れをチーム内でいつでも確認できる状態にすることです。
構成案を眺めながら議論をすると、「このページはこうだ」と言った”点”の議論になりがちですが、横にCJMを貼っておくと”全体の流れ”の中でその画面が果たす役割を確認できます。
情報設計や機能の優先順位づけが格段にしやすくなり、「この流れでこの機能は使わないでしょ」といった合意も取りやすいので、デザイナーはイラレで作っておきましょう。
10分もかかりません、テンプレ置いておきます。
詳しい書き方を知りたければUX戦略 ―ユーザー体験から考えるプロダクト作り -Jaime Levyがオススメです。
流れを共有できればなんでも良く、Yahoo!の Kevin Cheng氏はUX DAYS TOKYOで、漫画で共有すると分かりやすいとも言ってました。
3.リリース前にユーザーテスト
モック段階で十分です、サービスについて詳しくないチーム外の人に触ってもらいましょう。
モックの作成はProttをよく使います、UIデザインを作り込む前にしておきましょう。
5人に試してもらえれば致命的な破綻の80%が見つかると言われています。
このあたり、詳しくは アジャイル・ユーザビリティ ―ユーザエクスペリエンスのためのDIYテスティング -樽本 徹也がオススメです。
どれだけ練ったつもりでも、本当に面白いぐらいエラーが出ます。
一生懸命設計した側からするとおそらく赤面するので「マジかww」と笑っていられる強い精神力を持ちましょう。
もはやサービスに一番詳しい自分たちの眼の曇りっぷりはとんでもないので、絶対にやりましょう。
ゴールを理解していればすんなり進める箇所も、初見の人では受ける印象が全く異なるからです。
事情を知らない人がベストですが、NDAに引っかかるようならクライアントの別部署の方、特にIT系じゃない人にお願いしましょう。
最後に
自分はいわゆるWeb制作会社で働いたことがありません。
仕事の進め方も何もかも試行錯誤しながらやってきました。
この3つはサービスデザインを多く手掛ける中で、これだったら受託でもUXデザインを取り入れられるなと思った3手法です。
サービス供給者である依頼主と一緒にサービスを組み立てていければ合意形成もスムーズです。
仕様を決めるというストレスフルな決断も、客観的な評価があればすごく楽になります。
あとは見積もり段階で先方にこれらの重要性を説明しましょう。
UXという言葉が浸透してきたことで、こう言ったサービスの作り方を理解してくれる人が増えてきました。
こんなやり方があるんですよと、この記事を送りつけてもらえたら嬉しいです。
それではまた
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