なんのためのUXデザイン?

ohori
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正月は福袋を求めて走り回らされました、大堀です。
変な服も着せちゃえばかわいいので、子供用は大人用よりコスパが良いって嫁が言ってました。

掲題の件、ちょっと公開に勇気のいるタイトルですが名著「誰のためのデザイン?」をもじって「なんのためのUXデザイン?」としました。
巷ではUXデザインに関する書籍・イベントも増え、クライアントにもUXデザインについて理解のある方が目立ってきました。デザイナーの力がフルに発揮できるのはUXデザインのフェーズから参画することだと信じているので嬉しいです、同業の皆さんありがとうございます。

ただ、UXデザインの手法は多く語られますがその良し悪しを判断するのって難しいものです。このアップデートは改善だったのか改悪だったのか、一定数以上のアンケートや適切なKPIを追えないと「よくなった気がする」くらいの印象で終わってしまいます。

例えばUXデザインの表し方にこういう表現があります。

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ユーザー側の理想像とサービス提供側の理想像をうまく重ね合わせるのがUXデザインであるといった図です。
重なった面積が大きいほど良いUXなのですが、抽象的な表現であるためUXデザインの評価軸にはなり得ません。

そこで、UXデザインのゴールを『ユーザーの満足度を高めること』と仮置きして以下の方程式で考えてはどうか、というのが今回の主旨です。

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つまり満足度は分子のVALUEを大きくして、分母のCOSTを小さくすれば最大化するという意味です。

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ここでいうVALUEとはサービスが提供できる価値全体を指します。
サービスデザインにおいて語られる大半はこのVALUEについてで、プロダクトやサービスの品質を高めると当然ユーザーの満足度は上がるわけです。

COSTとはユーザーが費やす時間や金銭、手間を指します。
わかりやすいのは料金ですが、使いづらいUIがユーザーを離れさせるのも手間やストレスといったCOSTを大きく感じさせてしまうからです。値下げしても通常価格と同じサービスが受けられたら満足度は上がりますよね。

ではどうやってVALUEをあげてCOSTを下げるのか。

VALUEの上げ方
付帯サービスをつけることでも上げられますが、自分たちの提供する価値の本質を磨くのが大抵正しいと思います。
じつは相対的な値でもあるので、他サービスとの差別化がうまくできるとVALUEも上がります。
これも式にして表すと
VALUE = Resource * System
でしょうか。提供側の時間や手間といったResourceを増やすと当然上がりますが、それではいつか限界がきます。うまく回るためのSystem=仕組みを考えることで大きくしましょう。

COSTの下げ方
値下げがもっとも簡単ですが、一度下げた価格を再び上げるのは難しいでしょう。
ユーザーに手間と感じさせないと言う方法もあります。飲食店でのバイキングは自分で配膳しているのに、自由に取れるので楽しい気分にさせられます。工夫次第で体感COSTは下げることが可能です。
さらに式にしてみるとこうなります。
COST=Time + Money + Stress

サービス設計や改善案を考えるとき、それはVALUEを上げるものかCOSTを下げるものかを書き出してみると良いでしょう。
VALUEが上がるがCOSTも上がってしまうアップデートは慎重に、COST据え置きでもVALUEが上がる仕組みは確実に満足度アップに寄与するので実施しましょう。
ただしResourceにも限りがあるのでSystem(工夫)によってVALUEを上げるのが鉄則です。

以上をまとめると、
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となり、あらゆるサービス設計に通じるように思います。
もしあなたがサービスを提供する側にいるのなら、一度VALUEとCOSTを書き出してみてはいかがでしょうか。

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ちなみにこの考えは生産性という本に出て来た方程式、生産性=OUTPUT/INPUTから着想を得ました。こちらも「成長」という言葉の正体に気づかせてくれる良書です。

そんじゃーね

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大堀祐一 株式会社DENDESIGN 代表取締役/UXデザイナー 千葉大学工学部デザイン工学科意匠系卒/桑沢デザイン研究所 中退。WEBサービスの設計・デザインを専門とし、新規事業立ち上げやデザイン改修に数多く携わる。千葉大学工学部非常勤講師。 https://twitter.com/holly_u1