ジャーニーマップは書かなくて良い

ohori
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煽り気味のタイトルですみません、大堀です。

先に言っておくと、UXデザインにおいてよく用いられるカスタマージャーニーマップ(以下CJM)そのものを否定する記事ではありません。

そもそもCJMって何?という人はこちらをどうぞ。
Web制作者のためのUXデザインをはじめる本

こういうやつですね、念のため。
cjm

これ作ったことがある人はわかると思うんですが、ちゃんと作ると大変なんです。
上で紹介した「UXデザインをはじめる本」では作り方も紹介されていますが、

1.ユーザー候補への事前調査
2.ステップ、タッチポイント、行動、思考、感情に分けて付箋貼り
3.内容を精査、位置を調整
4.最後に清書する(イラレ、パワポ等)
※できればこれを複数人で行う

そしてこれだけやって用意してみても、意外とすぐには理解してもらえない。。
上のボリュームくらいならいいんですが、もっと書き込まれると結構嫌な顔をされます。

もちろん作るメリットはたくさんあります。

・サービス利用の前後に至るまで行動を予測し、サービスの精度をあげられる
・ユーザー離脱ポイントや、満足度を下げるであろう課題を見つけられる
・サービス全体を俯瞰した設計図を得られる

上げればきりがありませんが、もっと簡単に作れるCJM的なものを紹介しようと思います。

1.タイムラインマップ

これ勝手に名付けたんですが、ユーザーとサービスとのやり取りだけを描いたものです。
今回はおでんをすぐに届けてくれる架空のiOSアプリ”ODEN-NOW”を想定して用意しています。

行動パターンが分岐する場合は枝分かれしても構いません。
時系列に合わせて書くことで、全体の流れが滞りなく進むのかを確認できます。
同じ時間軸なのでユーザーが注文するタイミングとサービス提供側に連絡が行くタイミングを同じ行に書いています。

法人向けサービスなど途中で離脱するユーザーが少ない時には”感情”を書き込む必要性は乏しいですし、思考・気づきなどは空いている箇所に書き込めばOKです。
サービスを俯瞰して検討・共有するにはこれで十分機能します。メルカリのようなCtoCサービスでも中心にサービス提供者を置けば成り立つ便利な図です。

2.ロールプレイングマップ

これも勝手に名付けました。ユーザーの視点に立って、タッチポイントごとの画面イメージを付加して書いた図です。

画面とセットなので、より具体的に想像できます。
分岐の少ないスマホアプリなどに適していて、主語が変わらないからか一番理解しやすいとも言えます。
機能ごとに用意すれば複雑で多機能なサービスでも適用は可能です。

3.漫画-manga

これは去年のUX DAYS TOKYOで紹介されていたものですが、実際にやってみたことはありません。

作成するコストはCJMよりも高いですが、理解のされやすさはピカイチでしょう。
いつかやってみたいと思っていますが、受託案件では難しい。。

—–

最後に

CJMの最も重要な役割はチーム全体でサービスの価値を共有することだと思っています。
プロマネ、開発者、デザイナー、営業など様々な職種の人が目標を共有するいわばサービスの設計図です。
設計図はできるだけ分かりやすく、誰もが迷った時に見返して使うものです。

状況に応じてどんなスタイルのジャーニーマップを選択するか。
もし他のやり方もあれば教えてください、お茶しましょう。

現場からは以上です。

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大堀祐一 株式会社DENDESIGN 代表取締役/UXデザイナー 千葉大学工学部デザイン工学科意匠系卒/桑沢デザイン研究所 中退。WEBサービスの設計・デザインを専門とし、新規事業立ち上げやデザイン改修に数多く携わる。千葉大学工学部非常勤講師。 https://twitter.com/holly_u1