デザインセンスについて考える(引き出しの使い方編)

ohori
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最近の悩みは「クライアントのところに短パンで行って良いものか」です、大堀です。

前回のブログではデザインセンスについて書きましたが、
主に「引き出しの増やし方」について考えました。

例えるならデザイナーは
「課題に対して処方箋を与えるために、薬をたくさん用意しておく」わけです。

database concept. vintage cabinet. library card or file catalog.

そのために常日頃から引き出しを増やしておく必要があるよ…という主旨でした。

今回はその「引き出しの使い方」についてもう少し考えてみようと思います。
例えば、この「引き出し」も使いどころによって2種類に大別できます。

a.方向性を定めるための引き出し
b.質を高めるための引き出し

あんまり差はないのですが、どちらかと言えばディレクターの方は前者を、デザイナーは後者をより必要とするのではないでしょうか。

デザインのプロセスとして(ここではスタイリングのこと)まず、
全体の方向性を定める必要があります。

ターゲットや製品コンセプトの大枠を固め、
それに対し有効と思われるアプローチを探っていきます。

この方向性を定めるために前述の”a”の引き出しが登場します。
常日頃から蓄積してきたノウハウの中から適切に体現できる方向性を探っていきます。

まずは
1.自分にとって既知の引き出し、使ったことのある引き出しを使う
次第に限界が見えてきます。その後は自分も知らないような方向性を探っていく必要があります。

2.新しい引き出しを探しにいく
これには「どこにいけば適切な参考資料が手に入るか」を知っている必要があります。
本なのかWebなのか、どの作家どの時代なのか。アタリをつけららればスピードが違うはずです。

そしていくつか生まれた案の中から、クライアントの意見や客観視によって方向性を定めます。
このとき「いいとこ取り」しようとしてはいけません。赤色に緑を混ぜるとウ○コ色になります。

こうして方向性が定まると”b”の引き出しを用いてクオリティを上げるフェーズに移ります。

一般的に時間をかければかけるほど良くなりますが、
完成度はこんな曲線を描くイメージです。

140601

どうすれば格好良く、いわゆる「いい感じ」になるのか試行錯誤を繰り返します。
レイアウト、配色、装飾、写真・イラストの使い方。
細部をこだわるべきはこの段階です。

UIならば気持ち良さを、ビジュアルならば視線の行くところ重点的に作り込んでいくべきかと思います。
各要素の関係性も大切です。

20pointの文字でもまわりに十分な余白があれば目立ちますが、
他要素と近いと40pointでも目にとまりません。

こうすればOK、という正解がひとつではなく、方法論もあまりないように思います。(いやそれを考えようよ)

ただ言えるのは、ベテランデザイナーの方々は「頭の中で引き出しを開きまくっている」ことです。
実際に手を動かして結果を知るよりも先に、「こうしたらああなる」を先にシミュレーションしている気がします。

ゴールにたどり着くまでに100回の試行錯誤が必要だとして、できる人は80回を頭の中でシミュレーションしますが、
時間がかかる人は80回を実際に試してしまうのではないでしょうか。

しかも素早くデザインができる人は、開ける引き出し自体も適切です。
つまり引き出しそれぞれに適切なラベリングがなされています。

「女性的」「落ち着き」「秋」といったラベリングがなされていれば、開けるべき引き出しも一目瞭然なので、
実際は100回ではなくて10回くらいで目処がついていたりするのかもしれません。

このへんの連想力は、引き出しを開けまくってシナプスをつなぐしかありません。
ある意味で英単語と同じです。

ともかく引き出しを増やし、今度は何度もそれを開けることで、
シナプスをつないでいくしかないのかもしれません。最後はまさかの根性論です。

デザインセンスについての考察は終わりがありませんねー。
とりあえず今日はここまでです。

P.S.
先日Facebookで、一緒に働いてくれるUIデザイナーを募集しましたが、幸運にも見つかりました!
拡散してくれた方々、どうもありがとうございました!

では

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大堀祐一 株式会社DENDESIGN 代表取締役/UXデザイナー 千葉大学工学部デザイン工学科意匠系卒/桑沢デザイン研究所 中退。WEBサービスの設計・デザインを専門とし、新規事業立ち上げやデザイン改修に数多く携わる。千葉大学工学部非常勤講師。 https://twitter.com/holly_u1