アウトプットの質を高める方法
ご無沙汰しています、大堀です。
今年も大学での授業を終えてひと段落。
非常に準備は大変ですが、教えるために自分の理解を深められるのは良い機会です。
この記事の内容も授業スライドを考える中で、漠然としていた概念が鮮明になったので書いてみました。
文章でもデザインでもあらゆる創作物に共通する考え方だと思います。
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まずは「みる力」と「つくる力」について説明します。
みる力
質の高さを判断できる能力。
その分野における知識と見てきた総量で決まる。
つくる力
質の高いアウトプットを生み出せる能力。
良いアウトプットをトレースする(真似る)ことで上達する。
生み出してきた総量×個人のセンスで決まる。
そして個人の能力において、この2つの関係性は
みる力 ≧ つくる力
が常に成り立ちます。
つくる力が上になることはまずありません。
(例外もあるかもしれませんが便宜上言い切ります。)
そしてこの「みる力」については1つの弱点があります。
「みる力は自分で作ったものには甘くなる」
何かを生み出す経験があればなんとなくわかってもらえると思います。
「自信作だったが評価されない」「以前作ったものを改めて見なおすのが恥ずかしい」
というのはほとんどこの特徴によるものです。
理由としては
・無意識のうちに自分好みにつくっている
・見すぎていてもはや客観的になれない
などが言えそうです。
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自分でもこの感覚をどうすれば緩和できるのか長年考え、色々なアイデアを取り入れながら3つの方法に行き着きました。
この弱点を克服するためにできることは以下の3つです。
1.時間をあける
最低でも一晩は寝かせましょう。良い例が「夜中に書いたラブレターは出すな」です。
頭をリセットし、先入観を頭の外に出す(忘れる)ためでもあります。
2.視点を変える
PCで作っていれば、印刷してみるだけでも違います。
透過光から反射光になるからとか、正面にあるのと俯瞰するので変わるとか根拠らしいものもあるようです。
経験上、文章などは本当にたくさん粗が見つかります。
3.他人の意見を聞く
自分以上のみる力を持っている人が望ましく、より良い意見が聞けるはずです。
前知識のない人の意見、というだけでも多くの気づきがあります。
1と2は一人でもできますが、そもそも自分の見る目がなければすぐに頭打ちになります。
自分はデザイナーですが、業務では3の他人の意見を聞くを率先して行います。
逆に意見を求められることも多いのですが、意見の言い方には少しコツがいります。
つくったものの説明をきちんと聞く(目的、ターゲット、制約など)
主観的な意見を伝える(自分はどう思ったか)
客観的な意見を伝える(本来のターゲットであればどう思うかを想像)
この主観的、客観的というのを図解してみます。
まずは未熟者の図です。オレンジの四角形がつくったもの、アウトプットにあたります。
自分の主観のみで評価し、他人が見たらどう受け取るかまでは想像できていません。
夜中に書いたラブレターはこういう状態です。
ある程度経験を積むとこういう状態になります。
自分以外の人間がそれを見たらどう思うか、という客観的な視点を持つ人は独りよがりにならず、評価されやすいアウトプットを生み出します。
仮に客観視の主をペルソナと呼んでおきます。
そして同様にアドバイスがうまい人は、
「私はこう感じる」というアドバイスする人の主観的意見
「ペルソナだったらこう感じるのではないか」というペルソナの立場に立った客観的な意見を使い分けます。
ここで懸念すべきポイントは2人の考えるペルソナ像に乖離がある場合、フィードバックが的外れになることです。
事前に条件やターゲットについてきちんと共有しペルソナを定義しておきましょう。
紹介ついでに商品開発で実際にユーザーに当てるマーケティングもありますが、これは想像上のペルソナではなく、実際のターゲットに当ててフィードバックを得ようというやり方です。
これならば客観視という特別な技術は必要ありません。
出てきた意見をどう反映させるかは技術と経験がいるとは思いますが。
まとめ
アウトプットの質を高める方法を3つ紹介しました。
1.時間をあける
2.視点を変える
3.他人の意見を聞く
他人の意見にも主観的な意見と客観的な意見の2種類があります。
そしてすべての意見を鵜呑みにはせず、最終的には自分でアウトプットの責任を持ちましょう。
自分自身で良いと判断し、練りに練ってアウトプットを出すこと。
ブログであれば公開すること、
デザインであればリリースすること、
料理であれば食べてもらうことが
フィードバックを得て成長するベストな方法です。
ではまた!
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追記
UXやデザイン関連のイベントがあれば登壇します!
タイポグラフィ、UXデザイン、UIデザイン、デザイナーのキャリアあたりの話が得意です。
お問い合わせ か info[atmark]dendesign.jp までご連絡よろしくお願いします。