クリエイターと一緒に働くということ


Webサービスを運営する会社ではデザイナー、エンジニアといったクリエイターと、営業、企画、経営と言ったビジネスマンとが一緒に仕事をしています。
どちらも優秀な人を採用し一緒に働いてもらうのは大変でしょうが、とくにクリエイターで優秀な方が入ってもすぐに辞めてしまう、長続きしないという話をよく聞くので思うところを書いてみます。
まず優秀なビジネスマンの条件とは一般的に世の中を広く知っていて、交渉力・コミュニケーション能力に長けている。論理的に考え、人を巻き込んで実行できる。ざっくりですが共通するのはこんなところでしょう。
一方エンジニアやデザイナーと言ったクリエイターはと言うと、何なら家に引きこもって誰ともしゃべらず、一心不乱にものを作るようなオタク性が必要です。コミュニケーション能力に長けたクリエイターもいますが、それは彼らの一面でしかなく、1人で黙々と創作・探求を楽しむ性質は持ち合わせているものです。
ガヤガヤ話しているビジネスマンを横目に見ながら、仕事しろよこのやろうと思ってイライラするクリエイターもいるんです。楽しそうに仕事してるなぁと。
そういう意味でクリエイターはビジネスサイドに対してある種羨ましさを持っていたりもします。多分。
一方ビジネスマンには高学歴な方も多いし、大きなことを画策しているという自負もある。ただ自分たちだけでサービスを作れるわけではないので、彼らもまたクリエイターに対する畏敬の念を持ち合わせています。おそらく。
お互いを尊敬し、補完しあっている状況が理想の組織です。
しかし会社が大きくなるとビジネスマンが増えていきます。
そうするとクリエイターはだんだん肩身の狭い思いをするようになります。
事業の大事な会議にはビジネスマンが集まるようになり、作る人としての専任化、会社の分業化が進んでいくのです。
この時重要なのはビジネスマンがクリエイターよりも偉い、重要であると言う雰囲気を作らないことです。
クリエイター内での評価が高くても、ビジネスサイドからしたらレベルの違いはよくわかりません。またビジネスサイドのように課長部長といった細かい役職も少なく、「エンジニア」「デザイナー」とだけ書かれるか、「サーバーサイドエンジニア」など専門性を載せる程度がほとんどです。
部長、課長が偉いのと同様に、クリエイターの目指すべき役職や称号も必要だと思います。デザイン部長を作れということではなく、専門職としての階級で良いのです。LV5のクリエイターと営業部長を同等に評価して扱うことでビジネスマンから見てもすごい人だなとわかるラベルを与える。
彼らをビジネスサイドと同等に評価する制度を持たないと優秀なクリエイターほど敬われていない、必要とされていないと感じ離れていくでしょう。
クリエーターの多くは作ることに時間を費やしてきただけで決して頭が悪いわけでも視野が狭いわけでもありません。むしろ深く思考し、実現する力に長けた素晴らしい才能に溢れています。
タレンテッドなクリエイターを抱えたいと思う組織は彼らの評価、しいては組織内での重要さを改めて強調すべきだと思います。大事な会議に出席させても良いでしょうし、「方向性を決めること」と「それを実現すること」どちらも重要で、どちらも欠かせないものであるということを伝えてください。
そうすることでビジネスサイドと同じような尊厳をクリエイターが持ち、長く一緒に働いてくれるようになる。それは収入よりも大切な彼らのプライドを守ることでもあるんです。
それでは
